2022.09.27(火)

残った教科書を、紙袋に入れてぐしゃっとならないように綺麗に封をする。

それが二つできた。そっと丁寧に段ボールに詰める。

間にできた隙間に緩衝材を入れて中で本が動かないように。

ガムテープも手で切らずに、ハサミを使った。最後まで気を抜かずに、丁寧に、綺麗にと時間をかけた。

この夏、亡くなってしまった人の遺品だったから。それをご家族に送るための梱包を上司に頼まれた。今までで一番「私にやらせてください」と思った。私がやる。

ご遺族の方に、この教科書をぞんざいに扱われたと一ミリも思ってほしくなかった。

宅急便で届いた荷物を開ける時、彼らの子供が使った教科書を彼らが開く時、子供が書いたメモ書きを読む時、その瞬間を邪魔しないようにしたかった。

特別なことは何もしていない、職場の限られた資材で、その中でできるだけのことをした。やっぱりつらい気持ちになった。